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2007年07月20日(金) 01時20分

<NHK>来年の大河「篤姫」を商標登録 独占に地元困惑毎日新聞

 NHKの子会社、NHKエンタープライズ(東京)が、来年放映予定のNHK大河ドラマ「篤(あつ)姫」の商標を放映決定発表の直前に申請し、登録されていた。篤姫の出身地、鹿児島県では発表後、酒造会社などの地元企業が商標を申請したが、ほとんどが却下される見通し。NHK側は「無秩序にタイトルが使われるのを防ぐため」と説明するが、「NHK側が商標を独占するやり方はおかしい」と不満の声が出ている。
 NHKエンタープライズは、大河ドラマ放映決定の発表4日前の昨年7月28日、「篤姫」「大河ドラマ篤姫」など8件の商標を申請し、今年5月すべて登録された。対象商品は焼酎、日本酒、ジュース類、文具など多岐にわたる。
 同社は「無秩序なタイトル使用はドラマのイメージを損なう恐れがある。独占を防ぎ、多くの企業に公平に使ってもらうため」と説明。商標を使う企業から「小売価格の3%程度」の使用料を取る予定。過去の大河ドラマなどでも同様だったという。
 発表後、県内の焼酎、菓子メーカーなど13社が「篤姫」を含む商標18件を申請したが、特許庁は「登録された商標と混同されやすい申請は認められない」としており、大半は却下される見通し。
 申請した焼酎会社は「大河ドラマのおかげで観光振興が期待できるので使用料はやむを得ない」と理解を示すが、別の焼酎会社は「独占したうえ、使用料を取るのはおかしい」と批判する。
 篤姫は1835年、薩摩藩主、島津家の分家に生まれ、その後、徳川13代将軍家定の正妻になり、幕末の江戸城で大奥を取り仕切った。【福岡静哉】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070720-00000002-mai-soci