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2007年06月30日(土) 07時21分

損保26社、不払い350億円 最終結果、計50万件に朝日新聞

 損害保険26社による自動車保険などの保険金不払いの最終調査結果が29日、明らかになった。調査対象の02年4月〜05年6月の不払い件数は26社合計で約50万件、総額で約350億円に達した。金融庁は各社の調査結果を精査したうえで、行政処分を検討するとみられる。

 損保各社は05年9月に最初の自主調査を行い、昨年9月末には自動車保険などの保険金の不払い調査結果を公表した。しかし、金融庁は調査が不十分だとして、より範囲を広げた追加調査を昨年11月に命じていた。

 今月29日に、最後まで調査が続いていた富士火災が金融庁に報告。自動車保険などの不払いについては損保全48社のうち問題があった26社の全容が明らかになり、金融庁が昨年9月末に集計した約32万件、約188億円に比べ、件数は約1.5倍、額は約1.9倍に拡大した。

 不払い件数・額が増えたのは、主力の自動車保険で複数の保険がかかっているのに一部しか払われていないケースなどを調査対象に加えたためだ。他社と情報をやりとりしないと支払い状況を確認できないといった理由で、こうしたケースの調査は手つかずだった。

 損保会社では、自動車保険を中心に実施した今回の調査結果以外で、医療保険などいわゆる「第3分野」でも21社で計5760件、約16億円の不払いが見つかっている。さらに、火災保険料を取りすぎた問題についても、損保各社は今年度いっぱいかけて調査を終える予定だ。

http://www.asahi.com/business/update/0629/TKY200706290433.html