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2007年06月29日(金) 11時23分

17歳力士がけいこ中に急死デイリースポーツ

 大相撲の序ノ口力士、時太山(17)=ときたいざん、本名斉藤俊(たかし)さん、時津風部屋=が、急死したことが28日分かった。26日に、名古屋場所のため愛知県犬山市にけいこ場を設けている時津風部屋でけいこ中に体調を崩し、犬山市内の病院に搬送された後、急性心不全で死亡した。愛知県警犬山署は、遺族の希望により新潟大で28日に行った行政解剖の結果、多発外傷によるショックが死亡につながった可能性があると発表し、けいこに行きすぎがなかったかなど関係者から事情を聴く方針。
 犬山署によると、斉藤さんは26日午前に約30分間、兄弟子の胸を借りたぶつかりげいこの最中、気分が悪くなり約1時間休んだ。呼吸が荒くなっているのに気付いた兄弟子らが119番。同日午後2時10分、病院で死亡が確認された。
 犬山署は、新潟大で28日行った行政解剖の結果、多発外傷によるショックが死亡につながった可能性があると発表した。当日の張り手などの激しいけいこが心臓停止につながったと考えられるが、直接の死因は特定できなかったという。
 斉藤さんのほおなどにはかすり傷があったほか、肋骨(ろっこつ)一本の骨折が見つかったが、単独で死亡につながる傷はなかった。同署は、けいこに行きすぎがなかったかなど詳しい状況について関係者から事情を聴く方針。
 斉藤さんは今年春、入門したばかりで、名古屋場所で「序ノ口」で初めて番付にのったばかり。新潟市在住の父の斉藤正人さん(50)によれば、亡くなる5日ほど前に、新潟に帰ってきて「けいこが厳しい。上下関係がきつい。やめたい」ともらしていたという。正人さんは「部屋に戻らせたが、まさかこんなことになるとは」と話したが、その後、遺族として「行政解剖の結果に納得した。これ以上話を大きくしたくない」などとするコメントを発表した。
 この日夜、記者会見した時津風親方(元小結双津竜)は「本当に申し訳ないとしか言えない」と謝罪。いじめやしごきなどがあった可能性については「そんなことはやらせないし、力士にそんな気持ちはない。警察から事件性は一切ないと言われた」ときっぱり否定した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070629-00000017-dal-spo