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2007年06月27日(水) 02時34分

加ト吉の外部調査委が始動 苦情も1日200〜300件朝日新聞

 北海道の食品加工卸会社ミートホープのひき肉偽装事件で、問題発覚を受けて設置された加ト吉(本社・香川県観音寺市)の外部調査委員会が26日、グループ子会社・北海道加ト吉の前工場長(53)=24日付で解任=から初めて事情を聴いた。28日に正式な初会合を開き、調査の具体的な進め方などを決める。

 不正会計問題に伴う訂正決算発表で金森哲治社長が明らかにした。委員会は高野克己・東京農大教授や菅野直樹弁護士ら5人で構成される。

 同社によると、北海道加ト吉は、牛ミンチなどの材料を仕入れるたびに目とにおいで確認していたと説明している。だが、結果的に偽ミンチを使っており、確認は「不十分だった」と加ト吉は判断したという。

 さらに前工場長が廃棄すべき冷凍コロッケをミート社に横流ししていたこともわかっており、加ト吉は、委員会に対して、偽牛ミンチに気づかなかった原因の究明とともに、グループ全体の品質管理の在り方を提言してもらう考えだ。

 同社には、消費者からの苦情や問い合わせが1日200〜300件のペースで来ているという。

 一方、加ト吉は、北海道加ト吉の加藤義和社長が27日付で退任することも発表した。加藤社長は加ト吉グループの創業者。加ト吉は「以前から決まっており、ミートホープの問題での引責辞任ではない」としている。

 金森社長は自らの経営責任については「回避するつもりはないが、50年続いた前経営陣による経営体制に起因していると思う」と述べ、自らが辞任する考えのないことを示した。

http://www.asahi.com/national/update/0627/TKY200706260492.html