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2007年06月26日(火) 03時07分

農水省と北海道、計8回の立ち入り検査でも不正見抜けず読売新聞

 食肉偽装の告発をもとに、農林水産省と北海道が2002年から07年までに計8回、ミート社に立ち入り調査をしながら、不正を見抜けなかったことが25日、明らかになった。

 道は02年3月、同社員を名乗る男性から最初の告発を受け、立ち入り調査に入ったが、裏付ける証拠を得られなかった。

 告発は06年にもあり、苫小牧保健所が2、11月に調査。11月には「牛タンスモーク」から基準値を超す発色剤(亜硝酸ナトリウム)を検出した。食品衛生法違反で同社に出荷停止を指示したが、さらに「ウサギやカモの肉も使っている」などの情報が提供され、12月にも2回、追加調査した。しかし、この時も原料偽装を突き止められなかった。

 農水省の北海道農政事務所にも06年2月、偽装情報が寄せられたが、同事務所は「拠点が道内だけの業者なので日本農林規格(JAS)法の調査権限は道にある」として、3月23日付で道に対し、「具体的疑義が確定できませんでしたので参考までに回付します」との文書を作成したという。

 同事務所は昨年9月、ミート社に東京事務所があることを知ったが、直ちに調査に入らなかった。北海道農政事務所は、06年3月と今年3、5月に立ち入り調査をしたが、これは牛肉の個体識別の信頼性を確保するための調査だった。道の近藤光雄副知事は「情報を一元管理していればもっと早く不正が見つかっていたかもしれない」と話し、北海道農政事務所の小野哲士消費・安全部長も「連携が十分でなかった点は反省している」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070626i301.htm