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2007年06月26日(火) 01時45分

廃業検討のミート社、関連会社は売却も朝日新聞

 偽牛ミンチ問題を受け、廃業の方向で検討の始まった食品加工卸会社ミートホープ(北海道苫小牧市)は、関連会社のバイキングレストランについては、道内の他の会社に売却する案を検討している。一方、26日朝にも、ミート社から解雇通告を受ける社員の間からは、「我々を事件に巻き込んでおいて身勝手すぎる」と田中稔社長らへの憤りの声が上がった。

 ミート社では今回の問題発覚後、生産ラインが止まり、大半の従業員は自宅で待機していた。25日に出社して役員から方針を聞いた年配の従業員は「年も年なので、職探しは厳しくなるだろう」とつぶやいた。別の従業員は「解雇するというなら、社長は数々の不正でためた全財産を吐き出し、せめて十分な補償だけでもしてほしい」と憤った。

 創業者の田中社長について、同社の元幹部は「従業員を家族のように大切にしていた時代もあった」と振り返る。しかし、食肉偽装という「錬金術」で業務を拡大するにつれ、人変わりしたように高圧的になっていったという。

 田中社長宅には同日夜、弁護士らがあわただしく出入りした。インターホン越しの報道陣の問いかけに、同社長は「消費者のみなさまに迷惑をかけました」。長男の取締役は「社長は憔悴(しょうすい)しているが、まだ頑張れると思います」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY200706250375.html