寝たきり義母を刺殺の妻に猶予刑、２万人超す減刑嘆願書も（読売新聞）

2007年06月26日(火) 21時44分

　介護していた寝たきりの義母を刺殺したとして、殺人罪に問われた新潟県三条市東本成寺、無職堀まり子被告（５６）の判決が２６日、新潟地裁であった。

　大谷吉史裁判長は「動機や経緯において、多分に同情すべき不運な事情が重なった」などとして、懲役３年執行猶予５年（求刑・懲役５年）を言い渡した。

　判決によると、堀被告は、脳梗塞（こうそく）で寝たきりだった義母ナヲさん（当時８３歳）を介護していたが、介護から解放されたいと思い、今年２月７日午前、ベッドにいたナヲさんの左胸を包丁で３回刺し、出血死させた。

　大谷裁判長は、義母の入所を老人福祉施設から断られたうえ、２００４年７月の豪雨被害を受け、自宅を新築したことが事件の背景にあると指摘。ローン返済のために夫と３人の子どもが働き、１人で介護を抱え込んでいた堀被告は、事件当時はうつ病で、心神こう弱状態だったと認めた。

　大谷裁判長は判決言い渡し後、堀被告に対し「１日も早く健康になられ、更生してください」と諭した。

　事件を巡っては、堀被告の同級生らが、減刑を求める２万人以上の嘆願書を集め、地裁や地検などに提出していた。