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2007年06月25日(月) 06時03分

ミンチ偽装、社長らの詐欺罪立件も視野 道警朝日新聞

 北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープの偽装牛ミンチ問題で、道警は24日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、ミート社の本社工場や田中稔社長(68)宅、同社のミンチを使っていた北海道加ト吉(赤平市)など十数カ所を家宅捜索した。道警は一連の偽装などは田中社長の主導で会社ぐるみで続けられてきたと判断。田中社長らに対し、より刑罰の重い詐欺罪の適用も検討している。

 捜索の容疑は、ミート社が、豚肉などを混ぜたミンチを「牛ミンチ」と偽って北海道加ト吉などに出荷した疑い。ミート社はほかに、ブラジル産鶏肉を国産と偽っていた疑いも持たれている。捜索終了後、田中社長は報道陣に「ご迷惑をおかけしました」と謝罪し、会社を当面休業する方針を明らかにした。

 道警は今後、押収した資料を分析し、田中社長ら幹部の事情聴取を進める。同時に、ミート社の「牛ミンチ」を使って製造した食品などをDNA鑑定して、実際に豚肉などが混入されていたかの確認も急ぐ方針だ。

 道警はこの日も、ミート社の工場長らから事情を聴いた。田中社長は記者会見などで、偽装した「牛ミンチ」を7、8年前から販売していたことをすでに認めている。詐欺罪を適用するには、北海道加ト吉など偽牛ミンチを購入した各社に被害の認識があるかどうかなどが捜査の焦点となる。

 問題発覚からわずか4日後の強制捜査は、捜査機関としては異例の速さだった。偽牛ミンチは様々な食品会社で製品化されて全国に流通しており、「消費者の不安を消すには徹底的に事実を解明するしかない」という考えからとされる。

 道警は、田中社長らの刑事責任追及だけでなく、虚偽商品が全国に流通するのを許した要因は何か、OEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けて販売した大手にも原材料確認など改める点はないか——など幅広く解明を目指す考えだ。

http://www.asahi.com/national/update/0624/TKY200706240196.html