記事登録
2007年06月25日(月) 15時21分

偽装請負防止へ 発注元にも法順守の確認求める 厚労省朝日新聞

 実態は労働者派遣なのに請負を装う違法な「偽装請負」を防ぐため、請負会社や発注元企業が守るべき内容をまとめた厚生労働省の指針の概要が25日分かった。請負会社に労務管理体制の強化を求めるだけでなく、仕事の発注元にも、契約時に請負会社の法令順守体制の確認を求める点が特徴だ。発注元もコスト削減などのため偽装請負を活用してきた経緯があり、厚労省も指針を踏まえて関係企業による協議会をつくり、適正化を強く求めていく。

 指針は発注元企業向けと請負会社向けの2種類で、月内に関係業界の代表や専門家による研究会で正式にまとめる。強制力はないが、厚労省は指針に基づくチェックシートをつくり、請負会社と発注元企業からなる協議会を設け、セミナーなどを開いて各企業に指針の内容の徹底を促す。

 発注元向けの指針では、契約する請負会社を選ぶ際、適正に労働者を雇用保険や社会保険に加入させているかなど、法令順守を考慮するように求める。また、請負会社には有期雇用の労働者が多く、請負契約の解約で突然解雇される例も後を絶たない。このため、発注元にも、契約を途中で解約する場合は30日前に請負会社に予告することを要請する。

 一方、請負会社向けの指針では、発注元企業の社員が請負会社の労働者を指揮、命令すると偽装請負にあたるため、請負会社が労働者を監督できる者を現場に置き、会社側にも適正な雇用管理を担う責任者を置くべきだとした。このほか、請負労働者の安定雇用を促すため、雇用契約の期間は、発注元と請負会社とで結ぶ請負契約の期間と少なくとも同じとし、極端に短い雇用契約にならないように求めている。

http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY200706250227.html