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2007年06月22日(金) 09時09分

<収賄>陸自1佐に容疑、イラク派遣装備巡り 警視庁毎日新聞

 陸上自衛隊の幹部が、装備品の納入業者に便宜を図った見返りにわいろを受け取っていた疑いが強まり、警視庁捜査2課は22日にも、収賄容疑でこの幹部の本格的な取り調べに乗り出す方針を固めた。業者が納入した装備品は04年1月からのイラク派遣や同10月の新潟県中越地震の災害派遣の際にも使用されており、同課は幹部と業者との癒着の実態解明を図る。【石丸整、鳴海崇】
 幹部は40歳代で、06年1月に連隊長や司令級にあたる1等陸佐(1佐)に昇進した。防衛大を卒業後に入隊し、北海道・旭川の陸自第2後方支援連隊や陸上幕僚監部装備部などに勤務。一貫して自衛隊員の食事や衣服、勤務地での住居や派遣先でのテントなど、専用の装備品の調達や開発を担当する後方支援の任務にあたっている。
 調べでは、幹部は自衛隊向けの装備品の製造・販売業者役員から、数十万円の現金を複数回にわたって受け取った疑いが持たれている。すでに防衛省の内部調査に対し授受を認めているという。捜査2課は装備品の納入や開発業務にあたっていた幹部が、業者に購入予定備品のアドバイスをするなど便宜を図ったとみている。
 陸自の装備品に関する業界には競合する他社が少なく、贈賄側の業者の売り上げの大部分を防衛省への納入が占めている。イラクや災害地域への自衛隊派遣など、政府の政策によって、利益が大きく伸びるという。
 イラク派遣は復興支援特別措置法(特措法)に基づき04年に開始。陸自は昨年7月にサマワを撤退した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070622-00000015-mai-soci