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2007年06月21日(木) 03時10分

加ト吉製コロッケ材料「豚肉混入を容認」…納入会社社長読売新聞

 食品大手「加ト吉」(本社・香川県)の連結子会社「北海道加ト吉」(北海道赤平市)製の冷凍コロッケの材料に使う牛肉のミンチに、表示にはない豚肉のミンチが混入されていたとされる問題で、ミンチを納入していた北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」の田中稔社長が20日夜、記者会見して意図的な混入を認めた。

 同社の元従業員は「社長の指示を受けて、豚肉を混ぜていた」と証言しており、組織的に安価な豚肉の混入が行われていた疑いが強い。北海道警は、詐欺や不正競争防止法違反容疑などで捜査を始めた。

 北海道は同日、ミート社に対し立ち入り調査を実施。道警もミート社や加ト吉の関係者から事情を聞き、関係書類の提出を受けた。

 苫小牧市内の本社で記者会見したミート社の田中社長は「昨年、肉が足りない時、(牛肉に)豚肉を混ぜることを容認した。偽装と言われても仕方がない」と話した。ただ、混入の指示については、「自分から言ったかどうか思い出せない」と明言を避けた。

 しかし、ミート社の元従業員は同日、読売新聞の取材に対し、「工場では田中社長の指示を受けて、牛肉に豚などの安価な肉を混ぜるなどしていた」と証言。「いいのかなと思ったが、(自分が会社に)いる以上仕方ないと思った」とも話した。

 読売新聞が入手した「投入原料日報」と題する2006年7月のミート社の内部文書には、商品名と投入した原料名などが記されている。加ト吉に納入する「オースト(ラリア)産ビーフ」(1100キロ・グラム)には、原料名に「豚心(心臓)480キロ・グラム」「ラムクズ70キロ・グラム」などの記載があった。

 一方、加ト吉の金森哲治社長は同日夕、東京都内で記者会見し、仕入れ先のミート社で、牛肉に豚肉が意図的に混入されていたとする調査結果を明らかにした。加ト吉側の関与については否定した。

 加ト吉によると、北海道加ト吉とミート社との取引は2000年6月から。ミート社が納めた肉を使ったコロッケは32品目(月間販売数約437万個)で、原材料には牛肉以外の肉の表示はなかった。同社は、これらの出荷をすべて停止し、うち自社で販売している9品目を自主回収することを決めた。32品目のうち家庭用は日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)が各地の店舗で売っていた「CO・OP牛肉コロッケ」など3品目で、残りは業務用という。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070621i101.htm