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2007年06月21日(木) 15時02分

<豚肉混入ミンチ>国産鶏肉をブラジル産と偽る毎日新聞

 北海道苫小牧市の食品加工卸会社「ミートホープ」が「牛ミンチ」に豚肉を混ぜていた問題で、同社の田中稔社長らが21日午前、記者会見し、国産鶏肉をブラジル産と偽って出荷していたことも明らかにした。苫小牧保健所が5年前と昨年に内部告発を受け食品衛生法に基づく立ち入り検査をしていたことも判明。道農政事務所も今年3月と5月に立ち入り検査をしているが、偽装は確認できず、豚肉混入などの偽装は巧妙に行われていたとみられる。苫小牧署も田中社長らから不正競争防止法違反の疑いで任意で事情を聴いている。
 鶏肉産地の偽装は田中社長と一緒に記者会見した長男の均取締役が記者の質問を受け、過去に出荷したことがあると認めた。豚肉の混入についても「事故的なものではなく故意的なものだ」と認め、昨年7月以降、出荷した牛ミンチを回収することを表明した。
 苫小牧保健所によると5年前に同社が外国産肉を国産肉と偽って表示しているとの匿名の通報があった。昨年にも牛肉に他の肉を混入したり、基準値を超える食品添加物を使用しているとの情報が寄せられ、立ち入り検査を実施。添加物が基準値を上回っていることは確認し該当商品の出荷停止処分を行ったが、偽装は見つけられなかった。書類や工場内の在庫などを調べたが、製品のDNA検査などは費用がかかるため行わなかったという。同保健所の幹部は「立ち入りの技術が不十分だったかもしれない」と話す。【金子淳、鈴木勝一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070621-00000058-mai-soci