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2007年06月20日(水) 10時55分

中国でがん患者急増 環境汚染と因果関係?産経新聞

 【北京=福島香織】中国でがん患者が急増している。衛生省が発表した統計によると、昨年の中国人の死亡原因で、がんが初めて脳血管疾病をこえて1位となった。都市部での死亡原因はがんが27.3%、農村でも25.1%と全体の4分の1以上。背景には深刻な環境汚染などが指摘されている。
 衛生省によると、2005年には中国全土で760万人ががんで死亡した。これは世界のがん死亡者数の13%に相当する。
 中国医学科学院腫瘍研究所の陳智周研究員はがんの急増の3大原因として(1)空気、水などの環境汚染、特に地下水汚染(2)食品汚染(3)細菌・ウイルスの増加−を指摘。
 中国メディアによると、水質汚染が深刻な中国東部の淮河流域の瀋丘県には「がん村」と呼ばれ、がん患者が異常に多い村が100以上存在する。その1つ黄孟営村は人口2140人だが、1990−2004年までの死者数の54%ががんだった。また孫営村は403世帯1663人のうち、90年以降、がんになった人は186人。瀋丘県のがん発症率は72年には10万人に1人だったのが、現在10万人に320人と増加。
 陳研究員は食品汚染について、家畜に使われる薬品や肉質向上のための飼料添加剤、野菜やくだものに使われる成長剤、殺虫剤などが、がん急増と関係があるとしている。また、中国の週刊紙・南方週末(7日付)によると、「野菜などへの重金属残留は慢性中毒を起こし、鉛の過剰摂取は血液病を、カドミウムの過剰摂取はがんを引き起こす」と警告している。

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