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2007年06月15日(金) 00時38分

昨年度の消費税脱税21億円、目立つ人材派遣業者読売新聞

 全国の国税局が2006年度に告発した脱税事件のうち、消費税の脱税事件が過去最多の23件に上ったことが国税庁のまとめでわかった。脱税額(加算税を含む)は約21億円だった。

 消費税は、所得税、法人税と並んで国税収入の柱となっており、国税当局が摘発に力を入れた結果が数字に表れた形だ。

 強制調査(査察)で摘発した脱税事件は全体で221件(同脱税額約304億円)に上り、件数、脱税額とも前年度を上回った。このうち告発に至ったのは166件で、告発率は過去10年間で最高の75・1%に達した。

 消費税脱税の中心となったのは人材派遣業者。売り上げにかかる税額から仕入れにかかる税額を引いて申告する仕組みを悪用し、実際は自社の従業員を派遣しているのに、ダミー会社に派遣を外注したように装い、仕入れ税額を水増ししていた。さらに、資本金1000万円未満の新設会社は2年間、消費税を課せられないため、ダミー会社をつぶしては新たに設立することを繰り返していたケースも。

 このほか、新たな手口として、少ない元手で多額の為替取引ができ、個人投資家に人気の「外国為替証拠金取引」(FX)で得た利益を隠していた脱税事件が2件あった。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070614it15.htm?from=top