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2007年06月15日(金) 03時06分

<警視庁情報流出>暴力団データ、Nシステム資料も流出毎日新聞

 警視庁北沢署地域課の男性巡査長(26)の個人パソコンから、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じて捜査情報が流出した問題で、指定暴力団山口組に関する複数の内部資料やNシステム(自動車ナンバー自動読み取りシステム)の全国設置場所一覧表が含まれていたことが分かった。いずれの資料も使用にあたっては上司の許可を必要とするなど厳重に管理されている情報。個人パソコンに保存されていたことから、新たに内部の情報管理体制の問題も浮上した。
 毎日新聞が入手した「構成員」と題した資料には約400人分の山口組の構成員、準構成員と周辺者の氏名、住所などのデータが記載されていた。「山口組関連場所一覧」には、東京都内の山口組の関連先として、連絡事務所や関連企業の少なくとも2000件以上のデータが確認されている。
 Nシステムの一覧は全国1000カ所以上の設置場所が記載されていた。都内分の一覧表もあり、460カ所について設置場所が具体的に書かれていた。
 Nシステムについて警察庁は「捜査に支障が生じる」との理由で、設置場所については公表していない。
 流出データの大半は、巡査長が組織犯罪対策1課に勤務経験のある巡査部長(32)のパソコンから取り込んだものだったことが分かっている。暴力団情報などは巡査部長が組対1課時代に蓄積していたデータの可能性が高いとみられており、警視庁は巡査部長からもデータの入手経路などについて話を聞いている。
 北村博文・警視庁警務部参事官は「データ管理のあり方についても検討しなければならない」と話している。警察庁の漆間巌長官は14日の会見で「これだけ厳しく指示してきただけにゆゆしき事態。処分は厳しくなる。全警察職員に意識が浸透するよう指示を続けなければならない」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070615-00000009-mai-soci