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2007年06月15日(金) 03時04分

山口組総本部への「上納金」、昨年10億円超…警察推計読売新聞

 指定暴力団山口組の総本部(神戸市)に直系組長らが直接納めた「上納金」は昨年1年間で10億円を超えると、複数の山口組幹部の証言などを基に警察当局が推計していることがわかった。

 1992年の暴力団対策法施行後、組員を偽装離脱させるなど、山口組の資金稼ぎの実態は年を追うごとに不透明になっている。今回、警察当局がはじき出した金額は、組織に流れ込む巨額資金の「氷山の一角」に過ぎないとみられる。

 警察当局によると、組員と準構成員を合わせた山口組の勢力は昨年末現在で約3万9700人。このうち直系組長ら90人以上が総本部に直接上納している。直系組長は2次団体のトップでもあり、自らが束ねる団体に集まった金のごく一部を総本部に納めている。

 05年7月に6代目組長が就任して以降、組織の引き締めを図るために、直系組長の納める月額も1人当たり30〜50万円程度増額したとされ、昨年は、直系組長1人当たり毎月約120〜80万円上納。その合計は月8000万円以上。年間では、一昨年よりも約3億円増えて10億円を超えたという。

 1980年代まで、警察当局は、暴力団の総収入をある程度把握していた。89年には、暴力団全体の年間収入を「1兆3000億円」と算出し、公表している。しかし、92年に暴対法が施行され、組事務所から看板を外したり、構成員が組から離脱したように偽装するなど、暴力団の正体を隠して資金稼ぎをする「潜在化」が進んだ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070615i201.htm