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2007年06月15日(金) 23時33分

水門談合、元技監が受注予定変更を指示…国交省調査報告読売新聞

 水門設備工事を巡る官製談合で、国土交通省は15日、同省国土技術政策総合研究所の現職課長と、当時現職だった元技官やOBの計6人が談合に関与していたことを認める調査報告書を正式に公表した。

 この中で、豊田高司・元建設省技監が、2001年7月の参院選で、同省OBの岩井国臣参院議員(自民)を支援したとされる業者を受注予定企業に入れるよう働きかけた疑いがあることも指摘された。

 報告書によると、豊田元技監は01年5月ごろから05年5月ごろまで、「ダム新設用」工事について、業界が決めた受注予定企業を承認する役割を担っていた。大半はそのまま了承していたが、岩井議員を参院選で支援したという業者が01年末ごろ、「選挙で応援したのに、仕事がとれない」と注文を付けた際、「世話役」と呼ばれた業界の幹事社に対し、受注予定企業を一部変更し、この業者を加えるよう指示したという。

 元技監は同省の調査に対し、「工事は(公平に)行き渡らせた方がよいと考えた」などと説明、岩井議員の事務所は「事実関係が確認できず、コメントのしようがない」と話している。

 一方、報告書は、同省OBの天下りについて、「押しつけ的あっせん」はなかったとしたが、「OBの受け入れと受注の関連は否定できない」として、官製談合の背景に天下りがあったことを事実上、認めた。

 国交省は18日付で、出先機関の現職課長を停職2か月の懲戒処分とし、安富正文次官ら幹部7人を訓告などの処分とする。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070615i215.htm?from=main2