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2007年06月15日(金) 20時00分

<CIA身元漏えい>裁判官が公判で異例告白「脅迫受けた」毎日新聞

 【ワシントン大治朋子】「脅迫を受けている」。米中央情報局(CIA)工作員の身元漏えい事件で、元チェイニー副大統領首席補佐官のルイス・リビー被告(56)に実刑判決を言い渡したワシントン連邦地裁のレジー・ウォルトン判事は14日開かれた公判で、いやがらせの電話や手紙を受けたと明らかにした。裁判官が公判で自身の「被害」を“告白”するのは異例。イラク戦争開戦時の政権側による情報操作が明らかにされた裁判は、司法界への「重圧」の大きさも印象付けた。
 判事は今月5日、リビー被告に禁固2年6月を言い渡した。脅迫はこの直後から始まった。判事は「怒りや嫌がらせ、卑劣な電話や手紙を受けた。私や家族に不幸が訪れるのを望むものもあった」と指摘。「私の判断に影響を与えることは今もこれからもない」と語った。
 判事は黒人の共和党員で、ブッシュ大統領が01年10月、地裁判事に任命した。判決前にはラムズフェルド前国防長官や軍制服組のトップ、ペース統合参謀本部議長らブッシュ政権下でイラク戦争を推進した多数の大物が判事あての手紙で「寛大な判決」を求めていた。
 リビー被告は控訴手続き中の収監を保留するよう請求したがこの日の公判で退けられ、2カ月以内に収監される可能性が強まった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070615-00000101-mai-int