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2007年06月14日(木) 03時07分

警視庁情報流出、「捜査資料は別の同僚からコピー」読売新聞

 警視庁北沢署地域課の巡査長(26)の私物パソコンから約1万件のデータがインターネット上に流出した問題で、これらのデータを巡査長に複製させた上司の巡査部長(32)が「大半は別の同僚からコピーしたものだった」と説明していることがわかった。

 データの中には、犯罪捜査に有用なNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)の設置場所や、暴力団員のリストといった捜査資料も大量に含まれており、秘匿性の高い捜査情報を、現場の捜査員が、内規に違反して複製し合っていた疑いも浮上した。同庁は、最初に複製をした提供元の特定を急いでいる。

 ネット上から読売新聞が入手した流出データには、ほぼ全国の幹線道路や高速道のNシステム設置場所1000か所以上のリストや、指定暴力団の組員の氏名や住所、本籍を記載した名簿などが含まれていた。また、捜査対象者を監視していた隠しカメラの画像や、少年事件やとばく事件などの捜査資料もあった。

 これらのデータは、同じ地域課の上司の巡査部長がパソコンの外付けハードディスク(HD)に保存していた。このHDは巡査部長の私物で、巡査長は、捜査情報の入った私物の記憶媒体を持ち出すことを禁じた同庁の内規に反し、巡査部長からHDを借りたうえで、自宅の私物パソコンにデータを取り込んでいた。

 警視庁は、若手の捜査員が、様々なデータの漏えいに注意を払わないまま「業務上の参考資料」として引き継いでいるうちに、秘匿性の高い捜査資料や個人情報までも大量に混在していったと断定。今後は、巡査部長が過去に所属していた同庁組織犯罪対策1課や外事特捜隊などにも調査対象を広げ、データが誰の手を経て2人に渡ったのかなど詳しく調べる方針。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070614i201.htm