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2007年06月13日(水) 00時00分

NOVA一部業務停止「授業料 返還は・・・」──受講生らに不安広がる(6月13日)日経新聞

 業界最大手の英会話学校「NOVA」に対する、経済産業省の一部業務停止処分の方針が明らかになった13日、各地の教室では受講生らが不安な表情を浮かべた。解約を巡る苦情やトラブルが相次いでいた同社。「授業は続けられるのか」「払った授業料は返還されるの」。受講生らの困惑をよそに、同社は「コメントできない」と繰り返すだけだった。

 大阪市中央区にあるNOVA統括本部では、職員が突然の事態に戸惑いながら情報収集に追われた。駆け付けた報道陣に応対した広報担当の男性社員は額に汗を浮かべながら、「経産省から正式な連絡が来ておらず、コメントできない」と困惑しきった様子。一部業務停止という重い処分に、「正直言ってびっくりしている」と答えるのが精いっぱいだった。

 大阪市北区の高層ビル内にある梅田本校。同日午前、フランス語のグループレッスンを終えた兵庫県伊丹市のアルバイト女性(22)は、「今後も授業を受けられるのか心配」と表情を曇らせた。この日、NOVA側から行政処分に関する説明は特になかったという。

 ネイティブの講師と直接会話できることが気に入り、3カ月前から同校に通い始めた。約30万円分のポイントを購入したといい、「契約を巡るトラブルが報道されるたびに不安になっていた。期間はまだ1年以上残っているのに……」とショックを受けた様子だった。

 2年間NOVAに通っている大阪市の女性会社員(30)はこの日、レッスンの予約のため同市中央区のなんば本校に。業務停止命令の知らせに、「何のことか全然分からない」と困惑気味。「仕事の都合に合わせていろんな時間でレッスンを受けられるので都合が良かった。今後レッスンに影響が出るとしたら非常に困る。なんとかしっかりやってほしい」と話した。

 神戸市の繁華街、阪急三宮駅近くにある三宮センター街校の窓口で応対した女性職員は「業務停止命令のことは本社から何も聞いていないので……」と困惑を隠しきれない様子だった。



http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/40472.html