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2007年06月13日(水) 20時55分

NOVA社長が会見、引責辞任「現時点でない」朝日新聞

 NOVAの猿橋(さはし)望(のぞむ)社長は13日、大阪市内で記者会見し、「極めて厳粛に受け止めている。利用者に深くおわびしたい」と謝罪した。ただ、引責辞任を否定し、経営陣の処分についても「現時点では考えていない」と述べた。

 処分による業績への影響について猿橋社長は、業務停止が限定的であるとして「経営への影響は軽微」と話した。他社との資本提携などの可能性については「今後考えることだ」と明示を避けた。

 経営責任については、拡大戦略に人材育成が追い付かなかったとして「(今後)コンプライアンス(法令順守)などをしっかりやる必要がある」とした。受講生らには「これまで通りレッスンを提供していきたい」という。

 記者会見での猿橋望社長との主なやりとりは以下の通り。

 ——辞任する考えは。

 「現時点ではない。経営基盤を築きあげることと、コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(企業統治)をきっちりやることが必要。(経営陣の処分は)今後あり得るが、現時点では考えていない」

 ——受講生らの信頼を取り戻せるのか。

 「厳粛に受け止めている。誠意をもって対処していくつもりだ」

 ——業績への影響は。

 「経営そのものに与える影響は軽微だ。(新規契約ができない)1年超か70時間超という契約者の割合は、それほど多くはない」

 ——組織運営上の問題が大きいのでは。

 「05年から06年にかけて大量出店した影響で、スタッフの養成が必要だったが、マネジメント力が弱くなり、スタッフと生徒の信頼関係に問題が生じた。昨年から組織力の強化を行っている」

 「解約時のポイントの精算が最大の問題と認識していたが、そのせいで他の問題を見逃した。大きな反省点だ」

 〈NOVA〉 大阪出身で、5年の欧州留学から帰国した猿橋望氏が81年、海外の友人らと「ノヴァ企画」を設立し、大阪・心斎橋に1号教室を設立した。86年には東京に進出。93年からは「駅前留学」をキャッチフレーズにしたテレビCMで知名度を高め、00年までに全都道府県に教室を出した。07年3月末時点の教室数は925、生徒数は約41万8000人。同社によると、05年度の業界シェア(売上高)は47%で最大手。

http://www.asahi.com/national/update/0613/OSK200706130071.html