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2007年06月13日(水) 19時01分

年金抽出調査 誤入力さらに20件 社保庁朝日新聞

 年金記録のずさんな管理問題をめぐり、社会保険庁が国民年金の台帳から3090件を抽出したサンプル調査で、新たに約20件の入力ミスが明らかになった。年金の受給額に影響するものではないが、12日の公表時に「ない」としていた名前の記載ミスも含まれる。調査の信頼性が疑われることから、民主党は再調査を求める方針だ。

 新たなミスは、13日未明に衆院厚生労働委員会の理事に配布された資料で判明した。ミスの内容は、保険料納付月数は同じでも納付時期が異なる▽免除の種別が「法定免除」と「申請免除」で食い違う▽名前の記載で濁点の有無が異なる▽住所が不完全——など。社会保険事務所が「記録収録漏れ」と報告したにもかかわらず、本庁側が「誤りは見つからない」と結論づけたものもあった。

 12日の参院厚生労働委では、柳沢厚労相が保険料納付期間の入力ミスで年金受給額に影響を与える4件のケースだけを公表。この時点でミスを明らかにしなかった理由について、社会保険庁側は「(年金)給付に影響しないのでよしとした」と説明している。

 抽出調査は民主党の要請で実施。全国309の社会保険事務所にある国民年金台帳から10件ずつ取り出してコンピューター記録と比較した。民主党は「抽出調査のやり方自体が問題だ」(衆院厚労委理事)として、1カ所の社保事務所の全件調査をすることで全容解明を求める方針だ。

http://www.asahi.com/national/update/0613/TKY200706130314.html