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2007年06月12日(火) 14時37分

NOVAで解約相談急増、経産省・東京都は行政処分検討読売新聞

 最高裁判決で特定商取引法に違反するとされた英会話学校最大手「NOVA」(統括本部・大阪市)で、購入ポイントの有効期限やクーリングオフが可能な期間などをめぐる苦情や相談が、全国の消費者センターに相次いでいることがわかった。

 同社に対しては、経済産業省と東京都が立ち入り検査に乗り出しており、行政処分を検討している。

 同社は購入ポイントに応じて授業が受けられ、まとめて多くのポイントを買うと単価が安くなるシステムを採用。中途解約時に利用済みのサービスを購入時の単価よりも割高の単価で計算する清算方法について、元受講生が差額の返還を求めて提訴。最高裁は4月、中途解約ルールは違法との判断を示し、同社敗訴の判決が相次いで確定した。

 同社では4月、こうした動きを受けて、解約金を購入時の単価で計算する方式に改めたほか、5月には、過去に中途解約し、追加返金を求める元受講生に、「再計算のうえ、支払いに応じる」とする文書を送付した。しかし、全国の消費者センターには、単価の計算方法以外でも、中途解約をめぐる相談が続いている。同社に関する苦情・相談件数は2001年度の583件から05年度は1088件、06年度は1955件と急増し、今年4〜5月だけで401件に上った。

 中でも目立っているのが、受講の有無にかかわりなく、中途解約時に一定のポイントを差し引く仕組みに関する苦情。同社では、例えば、通常の講座で200回分にあたる600ポイントを購入した場合、1年たつごとに200ポイントを使ったものとみなされ、中途解約の返還金額を算出していた。

 この仕組みは最高裁判決前の05年10月に廃止されていたが、関西地方の消費者センターの相談員によると、こうした相談に対してNOVA側は、最高裁判決後も一切対応していないという。

 また、英会話教室は、契約から8日以内であれば、無条件で解約できる特定商取引法のクーリングオフが適用されるが、教室を見学して概要の説明を受けた際の日付が契約日とされて、クーリングオフの期間が短くなったとする苦情もあった。

 NOVAの広報担当者は、「ポイントの有効期限は、訴訟ではすべて適法とされており、苦情に対応することはできない。クーリングオフについては、きちんと応じている」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070612i105.htm