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2007年06月12日(火) 14時39分

振り込め詐欺容疑、札幌の山口組系暴力団事務所など捜索読売新聞

 指定暴力団山口組の傘下団体で、札幌市内に本部を置く暴力団の組員らが、首都圏在住者を狙った振り込め詐欺を繰り返していたとして、警視庁と北海道警は12日午前、同市中央区の組事務所などを詐欺容疑で捜索した。

 組員らは60人以上から総額約1億円をだまし取ったとみられ、その多くは、同市内の繁華街で複数の風俗店を開業する資金に充てられていた。振り込め詐欺の犯罪収益が、“暴力団ビジネス”に転用されたことが明らかになるのは異例で、同庁は、暴力団による新たな資金源確保の手口とみて追及する。

 捜索を受けているのは山口組誠友会の札幌市中央区の本部事務所と、誠友会傘下の組事務所の2か所。リーダー格の同会系組員の男(23)ら3人が詐欺容疑ですでに逮捕されており、同庁は、さらに複数の組関係者についても行方を追っている。

 調べによると、このグループは2005年暮れから昨年にかけて同市内のアジトを拠点に、東京、千葉、埼玉の在住者の家に息子を装って電話をかけ、「タクシーに会社のカネを忘れた。取引先との契約に間に合わないと首になる」と偽り、1人あたり約200万円を銀行口座に振り込ませた疑いが持たれている。

 リーダー格の組員は、口座から引き出した資金の7割を自分の取り分として預かり、札幌市内の繁華街で開いたランジェリーパブなど複数の風俗店の経営資金に回していた。店の売り上げは組に上納され、誠友会の活動資金になっていたとみられ、同庁で裏付けを進めている。

 誠友会の勢力は約800人で道内では最大の組織。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070612i204.htm