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2007年06月11日(月) 20時38分

投信販売で不適切処理、三菱東京UFJ銀に業務改善命令読売新聞


金融庁から行政処分を受け、記者会見に臨む畔柳信雄・三菱東京UFJ銀行頭取

 金融庁は11日、三菱東京UFJ銀行に対し、同日付で銀行法に基づく2件の業務改善命令を出したと発表した。

 銀行窓口で行った投資信託の販売で約100件の不適切な事務処理があり、海外拠点の不祥事も相次いでいるため、金融庁は、法令順守や内部管理の体制強化と役職員の責任の明確化などを7月11日までに報告するよう求めた。

 投信の銀行窓販で銀行が行政処分を受けたのは初めて。畔柳信雄頭取は同日の記者会見で「お客様に迷惑をかけ本当に重く受け止めている」と謝罪した。

 同行の親会社で日本最大の金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループは、この1年間に傘下の金融機関で7件の不祥事が起き、金融庁から受けた処分は4件に上る。抜本的な経営管理体制の見直しを求められそうだ。

 投信の販売では、銀行が顧客の注文を間違えて発注した場合、金融庁に報告した上で、損失を穴埋めするよう求められている。しかし、三菱東京UFJ銀行は、顧客への謝罪だけで済ませるなど、不適切な取り扱いを過去3年間で99件も起こし、苦情を訴えた顧客にだけ穴埋めをしていた。

 金融庁は、2006年1月に旧UFJ銀行と合併する前の旧東京三菱銀行は、損失穴埋めの規定がない上、事務処理ミスが行内表彰の減点対象となっていたため、顧客保護より業績を優先したと指摘した。旧UFJ銀行には損失穴埋め規定があったが、合併後はこの規定が引き継がれず、各店舗の法令順守担当者も見逃していた。

 海外では、昨年12月に米監督当局が同行のニューヨーク支店に対し、資金洗浄(マネーロンダリング)の監視体制が不十分として業務改善命令を出すなど、複数の拠点で法令違反が指摘されていた。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070611it13.htm