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2007年06月10日(日) 03時11分

<年金記録不明>1人に複数ミス 納付分「未納」に加え毎日新聞

 約5000万件の年金記録が不明になっている問題で、未納期間を支払ったことにされたり、生年月日や納付日が違うなど、社会保険庁のずさんな記録ミスが重なるケースがあることが分かった。支払った年金保険料を未納扱いにされている人が相次いでいるが、社保庁のずさんな処理が改めて浮き彫りになった。
 東大阪市の自営業、梅原喜代江さん(66)は75年11月、未納だった66年4月〜73年3月の国民年金保険料計7万5600円を一括して特例納付した。ところが00年に届いた期間満了通知には、支払いは75年4月からとされ、特例納付分はすべて未納とされていた。
 逆に支払っていない75年4〜10月は納付扱いとされ、一部は76年1月に一括払いしたと事実と違う記載がされていた。96年に届いた年金手帳には当初1日誤った生年月日が記載され、90年2月付で訂正されていた。
 梅原さんは再三、市や社会保険事務所に記録の訂正を申し入れた。「あなたはもう(年金を)もらっている」「間違いはない」などと受け入れられなかった。再審査請求は4日、棄却された。
 東京都大田区の男性(77)は、複数の会社に勤めて計9年5カ月分の厚生年金保険料を納めた。ところが、受給を申請した89年に1年6カ月分しか支払っていないことになっていることが判明した。05年になってやっと、別番号で記録されていた未納分の納付記録が見つかった。一方で男性の年金手帳には、86年6月6日付で「重複のため取り消しました」とする覚えのない年金番号の訂正記録が記されていた。「この時、何の連絡もなかった。意味が分からない」と話している。【野倉恵】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070610-00000019-mai-soci