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2007年06月08日(金) 15時04分

<捜査情報漏えい>巡査長ら2人逮捕へ 愛知県警毎日新聞

 愛知県警組織犯罪対策課の男性巡査長(31)と既に退職した元捜査員の男性(51)が捜査情報を漏えいしていた疑いが強まったとして、県警は8日午前、地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いなどで、2人から事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する方針で、一連の情報漏えい疑惑は、刑事事件に発展する見通しとなった。巡査長の口座には不明朗な入金も確認されており、県警は動機を追及するとともに、現金授受などについても調べている。
 県警監察官室などの調べによると、巡査長は昨年9月ごろ、同課が内偵していた不法就労に関する捜査資料を元捜査員の男性に渡し、捜査情報を漏らした疑い。元捜査員を通じて暴力団関係者らに資料が流出したとみられており、元捜査員は巡査長に流出をそそのかした教唆の疑いが持たれている。
 漏えいしたのは、不法滞在の外国人労働者を働かせていた名古屋市内の飲食店について出入国管理法違反(不法就労助長)などの疑いで同課が内偵していた事件の捜査資料。飲食店の経営者は暴力団関係者とみられ、資料には捜査対象者の氏名や容疑、捜査時期などが記されていたという。
 昨年9月ごろ作成、捜査員に配布された後、同課がこの飲食店などを家宅捜索したが、営業日にもかかわらず店は臨時休業で捜索出来なかったという。
 捜査資料は今年1月、風営適正化法違反容疑で逮捕した名古屋市の会社役員(41)=同法違反罪で有罪確定=の自宅で押収された。会社役員宅からはこのほか、県警組織犯罪対策局の企画調整会議で配布された資料も発見された。会議資料は、治安回復に向けた行動計画「アクションプラン2」に関するもので書き込みなどの跡があった。いずれの資料も一部の捜査員しか入手できないという。
 県警は今年1〜2月、同課所属の捜査員など十数人に任意で携帯電話の通話履歴の提出を求めた。通話記録の解析や捜査員からの事情聴取の結果、巡査長が、元捜査員の男性ら漏えいに関与した人物と繰り返し通話していたことが判明した。巡査長は毎日新聞の取材に対し、漏えいについて「『やっていない』としか言いようがない」と容疑を否認している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070608-00000060-mai-soci