記事登録
2007年06月07日(木) 12時01分

表彰:機敏な対処で振り込め詐欺を未然防止 尾西信金今西支店の職員、お手柄 /愛知毎日新聞

 ◇尾西信金今西支店の浅井さんと今井さんを表彰
 息子や弁護士を装った振り込め詐欺を未然に防いだとして、一宮署は6日、一宮市今伊勢町の尾西信用金庫今西支店に感謝状を贈った。客の態度から詐欺を直感し、注意を呼び掛けた女性職員2人の機敏な対処が送金に待ったをかけ、200万円の被害を防いだ。
 お手柄の職員は、同支店窓口係、浅井美佳さん(25)と同係主任、今井景子さん(28)。
 同信金によると、先月22日午後、窓口を訪れた女性客(70)がメモを見ながら振り込み用紙に記入する際、気が動転した様子だったうえ送金額が200万円と高額だったため応対した浅井さんが声を掛けた。しかし、女性が理由を話さなかったため隣の窓口にいた今井さんに相談。2人で改めて事情を聴くと、女性は「弁護士と警察から電話があり、息子が起こした交通事故の示談金を振り込みたい。息子に泣いて頼まれた」と説明した。このため、「一度、息子さんに連絡をとってみては」と勧め、携帯電話をかけてもらい、詐欺と分かった。同署は3人以上のグループが役割を決めて行った振り込め詐欺とみている。
 この日、上司と共に桑原孝吉署長から感謝状を受け取った2人は、「当然のことをしただけ。お客様の被害を防ぐことができてよかった」と話していた。
 県内の振り込め詐欺は昨年、未遂も含めて669件発生し被害額は計約9億円に上る。同署によると、最近は電話で「年金を還付する」と偽り、被害者を金融機関まで来させたうえ携帯電話でATMの操作方法を指示して送金させるなど、手口が巧妙化しているという。「慌てて送金せず、確認をとってほしい」と注意を呼び掛けている。【井上章】

6月7日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070607-00000082-mailo-l23