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2007年06月07日(木) 23時54分

フジテック製エレベーター、大阪市営住宅でワイヤ一部破断読売新聞

 大阪市旭区の市営高殿西住宅9号館(7階建て)で先月、「フジテック」(本社・滋賀県彦根市)が製造したエレベーターのワイヤロープ3本のうち1本の一部が破断していたことがわかった。

 同社は今年の定期検査で「異状なし」と市に報告していたが、国土交通省は「検査に問題があった可能性がある」として8日、同社が管理する全国約4万基の緊急点検を各自治体に要請する。

 市によると、このエレベーターは1983年、同住宅に設置された。同社が保守点検を担い、建築基準法に基づいて年1回の定期検査を実施。今年2月の検査では、かごをつり上げるロープについて、目視で点検し、三段階評価で最高の状態と報告していた。

 しかし、住民の女性が先月30日、「エレベーターのかごが揺れるので調べて欲しい」と通報し、同社が同日中に点検。鉄線8本を束ねたロープの鉄線1本(直径3・35ミリ)が破断していた。ロープは96年8月に交換されたものだった。

 同様の破断は今年4月以降、日本オーチス・エレベータやシンドラーエレベータ、日立製作所のエレベーターで相次いで発覚。同省の要請を受け、市は3社製については点検を進めているが、フジテック製は対象外だった。市は「検査が不十分で異状を見落とした可能性がある」とみている。

 フジテックは、東証・大証1部上場のエレベーターやエスカレーターの製造大手。同社広報室は「検査は適切だったと考えるが、原因は特定できていない」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070607i515.htm