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2007年06月07日(木) 12時55分

自殺者9年連続で3万人超す、動機は「健康」「学校」増加読売新聞

 昨年1年間の全国の自殺者は3万2155人で、9年連続で3万人を超えたことが警察庁のまとめでわかった。

 前年より397人(1・2%)減ったものの、依然として高止まりの状態が続いている。

 60歳以上と19歳以下が前年より増え、中でも「学生・生徒」は886人で、1978年の統計開始以来で最多となった。動機は、景気回復を反映して借金苦などの経済問題は減少したが、健康、勤務、学校問題などが増加した。

 男女別では、男が2万2813人(前年比3・1%減)、女が9342人(同3・7%増)。

 年齢別では、60歳以上が1万1120人(同2・1%増)で最も多く、50歳代7246人(同4・5%減)、40歳代5008人(同3・8%減)の順。50歳代〜20歳代はいずれも前年より減少した。

 一方で、19歳以下は623人で2・5%増え、小学生は14人(前年比7人増)、中学生81人(同15人増)、高校生220人(同5人増)だった。

 遺書があった1万466人の動機をみると、「健康」が4341人(前年比4・7%増)で最も多かった。1043人(同3・2%増)の「家庭」、709人(同8・4%増)の「勤務」、91人(同28・2%増)の「学校」を合わせた4項目は、いずれも統計のある98年以降で最多となった。

 特に学校問題の増加は著しく、警察庁では、今年1月から動機に「いじめ」を新設して調査している。

 一方、動機で2番目に多かった「経済・生活」は3010人で7・5%減。ただ、40歳代と50歳代はこの理由が最も多く、中高年の経済的な困窮ぶりがうかがえる。

 また、インターネットを通じて知り合った集団自殺は56人で、前年より35人減った。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070607it05.htm