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2007年06月05日(火) 13時57分

偽造「金の延べ板」質入れ、600万円詐取の6人逮捕読売新聞


表面だけが金で、中には加工されたタングステン塊(中央)が埋め込まれていた偽造金の延べ板

 偽の金の延べ板を質入れし、約600万円を詐取したとして、大阪府警は4日、貴金属ブローカーの牧茂男(56)(東京都荒川区)、韓国人で宝石加工業の趙炳変(54)(同台東区)ら6容疑者を詐欺や同ほう助容疑で逮捕したと発表した。

 趙容疑者らが東京都内で密造していた偽の延べ板は科学的な鑑定でも見破れなかったほど精巧で、被害は昨年末以降、大阪府内だけで十数件、1000万円以上にのぼるという。

 調べによると、牧容疑者ら4人は、趙容疑者ら2人が偽造した延べ板(1キロ)を1月上旬、大阪市内などの質店3店に1本ずつ持ち込み、計約600万円を詐取した疑い。府警によると、偽物は金と比重が似通った希少金属のタングステンを純金で覆ったもので、原価約三十数万円の大半は金の価格。「スイス銀行製」を意味する英文字や、1本ずつ異なる製造番号が刻まれていた。

 同種の偽物による被害は質屋や小規模な貴金属販売店を中心に続発している。貴金属販売業界関係者によると、持ち込まれた貴金属店でのエックス線鑑定では「本物」と判定されたという。偽造は延べ板の持ち込みを不審に思った別の質店からの通報で、メーカーが破壊検査を行って発覚したが、「エックス線鑑定で見分けられなかったのは初めて」としている。日本金地金流通協会(東京)も1月、会員業者に注意を呼びかけていた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070605ic04.htm