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2007年06月05日(火) 12時37分

長崎三菱造船じん肺訴訟、会社側が和解案拒否読売新聞

 三菱重工業長崎造船所(長崎市)と下請け会社の元従業員らが、会社が粉じん対策を怠ったためじん肺になったとして、三菱重工業(本社・東京)を相手取り、総額13億5960万円の損害賠償を求めた三菱長崎造船じん肺訴訟第2陣の和解協議が5日、長崎地裁(田川直之裁判長)で開かれた。

 地裁が提示していた和解案を被告側が拒否、和解協議は打ち切られ、7月31日、判決が言い渡されることになった。

 原告は患者32人と、死亡した元従業員7人の遺族28人。同訴訟は第1陣で117人が提訴し、同社が総額12億8000万円を支払うことで2002年6月に和解が成立。その後、患者と補償協定を結んだが、症状の重さを示す管理区分について、「比較的軽い『2』で合併症がない患者は協定の対象外」とされたことなどから、03年12月、提訴に踏み切った。地裁は「じん肺法の管理区分決定を受けた原告はすべて、損害が生じていると推認できる」とし、1人あたり55万から2750万円を支払うとする和解案を4月25日に提示。原告側は受け入れる意向を示していた。被告側は、管理区分「2」で合併症がない原告3人について、「専門医によるCT(コンピューター断層撮影法)画像の所見でじん肺でないと診断された」として、和解の対象から外すよう主張していた。

 三菱重工業の話「和解案は一部受け入れがたい部分があり、判決を求めることにした」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070605ic03.htm