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2007年06月05日(火) 11時33分

ニフティも無料メールサービス 有料会員どうなる?朝日新聞

 ニフティが無料のメールサービスに踏み切った。大容量で保存は無期限、だれでも無料で入れるサービスを4日から始めたのだ。同様のサービスは、すでにヤフーやグーグルのgメールなどがある。ニフティは有料メールの老舗(しにせ)というイメージがあるが、有料メール事業はどうなるのか? (アサヒ・コム編集部)

 長年のネットユーザーのなかには、国内でいち早く有料メールサービスを始めたニフティのメールサービスを受けた人も多いはず。現在は有料会員(接続会員)に対し、月額210円などで提供している。それだけに、今回のサービスは一時代の終わりを告げるものといえそうだ。

 今回の無料メールアドレスの末尾は、@nifmail.jp(アット・ニフメール)となる。容量は3GB(ギガバイト)、保存は無期限。携帯電話でのwebメールの機能も標準装備しているのが特徴という。

 一つのプロバイダー内に、有料と無料のメールサービスが並立するのは異例。このままなら、従来の有料のメール会員が無料に乗り換える現象が起きてしまう。そのため、有料会員向けサービスも合わせて拡充した。

 有料会員のメールボックスの容量を100MB(メガバイト)から5ギガに、保存期間も360日間から無期限へと、それぞれ増やした。さらに、セキュリティー機能なども拡充した。

 ただ、同業他社による大容量・無料メールの普及で、ニフティにとっても、有料メールの事業はすでに有力な収益源ではなくなっている。同社の07年3月期(連結)売上高818億円のうち、88%をブロードバンド接続料などのプラットホーム分野が占める。有料メール事業の比率は小さい。有料メール会員数の公表も、02年の約524万人を最後に中止した。

 今回のサービスについて、同社広報・IR室は「有料会員の方には、様々な用途で使い分けていただければ」と説明。今後も有料会員を維持していく姿勢に変わりはないとしているが、同社はコミュニティービジネスやコンテンツ事業など、課金ビジネス以外の分野の収益拡大をはかっている真っ最中。その基盤強化のためにも、大容量・無料メールの仕組みが必要になった、と判断したようだ。

http://www.asahi.com/business/update/0605/TKY200706050133.html