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2007年06月05日(火) 08時00分

枚方市長、強制捜査へ 談合容疑、懇意の府議ら2人逮捕産経新聞

 大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事をめぐる官製談合事件で、大阪地検特捜部は4日、談合に関与した疑いが強まったとして、競売入札妨害(談合)容疑で、近く中司宏市長(51)に対し強制捜査に乗り出す方針を固めた。府警警部補、平原幸史郎容疑者(47)=同容疑で逮捕=らから伝えられたゼネコン側の意向を了承、副市長の小堀隆恒容疑者(60)=同=に指示を与えていた疑いが浮上。特捜部は、官製談合の全容解明に向け強制捜査が不可欠と判断したもようだ。

 また特捜部は4日、同容疑で、元枚方市議で府議の初田豊三郎容疑者(49)と大手ゼネコンの大林組元顧問、山本正明容疑者(71)を逮捕。大阪府庁(大阪市中央区)の府議会や枚方市内の初田容疑者宅などを捜索した。事件の逮捕者は10人となった。

 一方、大林組からの受注謝礼金4000万円のうち3000万円を土木建築会社社長を通じて受け取った初田容疑者が、市側の人物に流した疑いもあり、特捜部は贈収賄容疑の立件も視野に入れて捜査を進める。

 調べによると、初田、山本両容疑者は平成17年11月に行われた「(仮称)第2清掃工場建設工事」の入札に参加した大林組の顧問、森井繁夫容疑者(63)=同=や、同工事の実務責任者だった副市長の小堀容疑者らと共謀。大林組と浅沼組の共同企業体(JV)が落札できるよう談合した疑い。入札では同JVが予定価格の98・4%に当たる55億6000万円で落札した。

 関係者によると、中司市長は初田容疑者と親密な関係にあり、10年ごろに初田容疑者に平原容疑者を紹介。さらに入札前の16年ごろには、平原容疑者から森井容疑者を紹介され、初田容疑者を含む4人で大阪市内の飲食店で会食していた。

 特捜部は、大林組からの受注謝礼金の3000万円と1000万円をそれぞれ受け取った初田、平原両容疑者が果たした役割に着目。いずれも中司市長との親交を背景に、市幹部から工事情報を収集したり、ゼネコン側の意向を伝えるなど、ブローカーまがいに暗躍していたとの見方を強め、中司市長の関与がなければ談合が成立しないと判断したもようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070605-00000007-san-soci