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2007年06月04日(月) 20時39分

日立ビルシステムのエレベーター15万基、緊急点検へ朝日新聞

 国土交通省は4日、エレベーター業界大手、日立ビルシステムの管理するエレベーターについて、定期検査が適正に行われていない恐れがあるとして、全基を緊急点検するよう全国の自治体に要請した。対象は約15万基とみられ、シンドラーエレベータ約7000基、日本オーチス・エレベータ約5万基を上回り過去最大規模になる。

 緊急点検が必要な理由として、国交省は、札幌市のホテルのエレベーターで3月25日にワイヤロープを構成する金属線の束の破断が見つかったことを公表。保守管理をしている日立ビルシステムが昨年5月の定期検査の際、前兆となる不具合を見落とした疑いがある、と判断したという。

 国交省は「年1回の定期検査が適正であれば、金属線が束ごと切れる前に、1本1本の線の破断に気づけたはずだ」としている。日立ビルシステムは「定期検査は適正だったと認識している。原因は別にあるのではと思うが、今後はより厳しく点検する」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0604/TKY200706040330.html