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2007年06月04日(月) 03時00分

枚方談合、大阪府議は3000万円受領か…逮捕の業者供述読売新聞

 大阪府枚方(ひらかた)市発注の清掃工場建設を巡る官製談合事件で、逮捕された兵庫県西宮市の建設会社「羽衣組」社長・松山武仁容疑者(65)が、大阪地検特捜部の調べに対し、大手ゼネコン大林組から受け取った3000万円を、当時枚方市議だった府議(49)に渡したことを認める供述を始めていたことがわかった。

 府議は当初、大林組に受注謝礼として、受注額の2%(約1億1000万円)を要求していたことも判明。大林組から金額の調整役を依頼された松山容疑者が府議と交渉、3000万円に「値切った」という。特捜部は近く、府議を事情聴取し、3000万円の流れを解明する方針。

 これまでの調べで、大林組顧問・森井繁夫容疑者(63)(逮捕)ら同社側の3人は受注謝礼として4000万円を支出。1000万円は、府警捜査2課警部補・平原幸史郎容疑者(47)(同)の要求を受けて、大阪府泉佐野市の建設会社「国土建設」社長・山田睦司(ちかし)容疑者(46)(同)経由で平原容疑者に渡り、残る3000万円は、松山容疑者が受け取っていたことがわかっている。

 調べなどによると、府議は平原容疑者から森井容疑者を紹介され、中司(なかつか)宏市長(51)も含めた4人で会食。森井容疑者から数回、訪問を受けていた。

 こうした経緯から、府議は「第2清掃工場」(仮称)の建設工事の受注を市側に働きかけたとみられ、大林組が予定価格の約98・4%に当たる55億6000万円で落札した後、森井容疑者らに受注額の2%を要求したという。

 しかし大林組側は「金額が大きすぎる」といったん断り、取引のあった松山容疑者に調整を依頼。最終的に、3000万円で合意したため、松山容疑者を経由して府議に渡ったという。

 特捜部は府議が受け取ったとみられる3000万円が、さらに市側に流れた可能性もあるとみて、近く、府議から事情を聞く。

 読売新聞の取材に対し、府議は「森井容疑者から受注を依頼されたことはなく、金銭の授受も一切、ない」などと話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070604i201.htm?from=main2