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2007年06月04日(月) 22時49分

日立製エレベーターのワイヤ破断、15万基を緊急点検へ読売新聞

 札幌市中央区の住友生命札幌ビル(23階建て)で今年3月下旬、日立製作所製エレベーターのワイヤロープ5本のうち、1本の一部が破断していたことが4日わかった。

 同ビルにはホテルや事務所が入っており、エレベーターの保守管理を担当する「日立ビルシステム」(東京都千代田区)は、昨年5月の定期検査で「問題なし」と報告していた。国土交通省では、「定期検査などで劣化を見落としていた可能性が高い」として、同社が保守点検する全国の約15万基について緊急点検するよう、都道府県などに通知する。

 国交省や札幌市などによると、同ビルは1〜3階と9〜23階はホテル、その他の階は事務所などが入居している。3月25日午後4時ごろ、ホテル従業員から「異常音がする」との連絡が同社に入った。

 同社が調べたところ、それぞれが八つの鉄線の束からなるワイヤロープのうち一つの束が完全に破断していたという。同社は同ビルの管理会社スミセイビルマネージメント札幌支店に連絡し、同月27日までにロープを5本とも交換したが、管理会社は5月末まで札幌市に報告していなかった。

 日立ビルシステムは「検査は適正に行っていたが、100%ミスを防ぐのは難しい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070604it14.htm