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2007年06月04日(月) 12時24分

米国籍の孫に財産贈与、国税局が5億円申告漏れ指摘読売新聞

 大手教育系出版社「中央出版」(本社・名古屋市)の会長(62)から米国債(信託財産)を受け取った米国籍の孫が、約5億円の申告漏れを名古屋国税局に指摘されていたことが4日、わかった。

 外国籍で海外に生活の本拠地がある者に、海外にある財産を贈与した場合、課税されない制度を利用したもので、名古屋国税局は「孫の生活本拠地は海外ではなかった」として無申告加算税を含めて約2億5000万円を追徴課税した。孫側は、税務当局に異議申し立てを行っている。

 関係者によると、2003年に米国で出生した孫は04年、会長が米国の信託会社に保有している約5億円分の米国債の受取人となった。しかし、当時、孫の父親が勤務する米国の同社子会社は休眠状態で、父親の米国での収入はほとんどなく、父親は日米両国を行き来していたという。

 このため同局は、「親の生活本拠地は日本国内で、米国にいたのは一時滞在に過ぎない」と認定。孫が米国に居住したようにし、贈与税を免れたと指摘したとみられる。

 同社は1972年に創業し、全国に8支店、60事業所を展開するなど教材出版事業の大手。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070604i405.htm