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2007年06月03日(日) 14時25分

IP電話、「つながりにくい」も報告を義務づけ 総務省朝日新聞

 インターネットの通信技術を利用したIP電話の障害が多発しているため、総務省は障害発生時に事業者に求めている報告の対象を広げるよう基準を厳しくする方針を決めた。現在は報告の義務がない「つながりにくい」といったレベルのIP通信の障害も、社会的影響が大きいケースについては報告を義務づける。年内にも省令を改正し、基準を厳格化する。

 現行の基準では、3万人以上の加入者の通信が不通となり、その影響が2時間以上に及ばなければ、通信事業者に報告義務はない。従来の固定電話向けに設けた基準のため、IP通信で起きやすい「電話がつながりにくい」「メールが遅れる」などの障害は報告の対象外。監督官庁の総務省も、IP通信の障害の詳細な実態は把握できないのが実情だ。

 総務省は、報告義務の基準に満たないレベルの障害であっても、大規模な事故に発展する要因が潜んでいると判断。報告義務の対象を広げることで、通信障害の情報を幅広く集め、再発防止策の研究に生かしたい考えだ。

 同省はまた、IP通信網の安全確保や事故対策のノウハウを持つ人材を育てるため、電気通信主任技術者の資格試験の内容も見直す。固定電話の知識が中心だった試験内容を改め、IP網に関する技術の理解度を確認できるようにする。さらに、IP網の管理などに特化した資格制度の新設も検討する

http://www.asahi.com/business/update/0602/TKY200706020239.html