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2007年06月03日(日) 06時28分

ヒスイ盗許さない!読売新聞

糸魚川市 原石を博物館で保管

 国内最大のヒスイの産地である糸魚川市の姫川上流で、貴重な原石が割られたり、くりぬかれたりする盗掘が相次いでいる。同市は、被害の著しい原石8個(計75・8トン)を守るため現地から運び出し、市博物館フォッサマグナミュージアムなどで保管・展示する。

 市博物館によると、運び出すのは、国の天然記念物「小滝ヒスイ峡」から約5キロ上流のヨシオ滝付近にある原石。1個当たりの重さは2・5〜21・9トン。ヨシオ滝付近では十数年前から、ハンマーなどで原石が割られ、一部が持ち去られる被害が出始めた。ここ数年は、削岩機を持ち込んで原石に穴を開け、良質なヒスイ部分だけをくりぬくなど悪質な手口が目立っている。市博物館は「庭石や室内に飾って観賞用として利用されているのではないか」としている。

 付近は、天然記念物の指定区域外で、被害に歯止めを掛けるのは難しいとされてきた。

 このため、市は昨年12月、地元住民からの要請を受け、現地を調査。県の許可を得た上で、今年度予算に運搬費として350万円を計上し原石8個すべてを運び出すことにした。

 搬出作業は4日に取りかかり、11日までに終える予定。その後、同館と小滝地区で盗掘の痕跡とともに展示、保管することにしている。

 糸魚川のヒスイは1938年に小滝川で発見され、採掘が行われたが、その後、価値が見直されて56年、国の天然記念物に指定された。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news001.htm