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2007年06月02日(土) 06時12分

大林組下請け幹部聴取、謝礼3千万円追及 枚方談合朝日新聞

 大阪府枚方市の清掃工場建設をめぐる官製談合事件で、大阪地検特捜部は1日、大手ゼネコン「大林組」(大阪市)の下請け会社の幹部から、競売入札妨害(談合)の共犯容疑で事情聴取を始めた。同社には、大林組が受注謝礼として関係者に支出したとされる4000万円のうち3000万円が渡っており、この下請け会社から市関係者に現金が渡っている疑いが強いとみて調べる。

 調べでは、幹部が事情聴取を受けた建築会社は兵庫県内にあり、社員は五十数人。大林組の下請け業務を主に請け負っている。関係者によると、今回の工場建設工事の入札工作をめぐってこの会社が表だって動いたという情報はないという。

 通常、企業が裏金を工面する場合、下請け業者や取引業者の協力を得て、架空や水増しの発注をし、浮いた代金を還流させてプールしておき、必要に応じて支出するケースが多い。

 特捜部は、この建築会社が仕事の相当部分を大林組に依存している関係などから、大林組が金の受け渡し役や裏金作りとしてこの会社を利用した疑いがあるとみている。

 一方、大林組が支出した4000万円のうち、1000万円が渡った同府泉佐野市の建設会社「国土建設」社長の山田睦司容疑者(46)=談合容疑で逮捕=は、別の汚職事件で府警捜査2課警部補の平原幸史郎容疑者(47)=同=が事情聴取した相手だったことも分かった。

 調べでは、国土建設の山田社長は99年、府発注工事をめぐって府議らが逮捕された汚職事件の捜査で、当時捜査2課の巡査部長だった平原警部補から事情を聴かれた。これをきっかけに2人は面識ができたという。

 その後、警部補は、ゼネコン業界に詳しい山田社長から、談合や汚職などの疑惑について情報収集をする関係になった。ゴルフ接待も頻繁に受け、親密な関係を最近まで続けていたという。特捜部は、国土建設に渡った1000万円の流れも追及している。

http://www.asahi.com/national/update/0602/OSK200706010086.html