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2007年06月02日(土) 21時43分

<直方市>幹部職員が暴力団員使い圧力? NPO法人が抗議毎日新聞

 福岡県直方市に拠点を置くNPO法人「日本環境ヒューマンライフ」の理事長(50)が「市の幹部職員が暴力団員を使って圧力をかけてきたので、予定していた住民監査請求を断念せざるを得なかった」と市に抗議していたことが分かった。市が2日、会見して明らかにした。市は幹部職員が直接、暴力団員に圧力を依頼したわけではないとの認識を示しているが、向野敏昭市長は「結果的にでも、市民に圧力をかけた形になることは問題」として幹部職員の処分も検討する。
 市によると、NPO法人の理事長は、05年12月に実施された同市の「地籍調査事業測量業務委託」の入札について「手続きに疑問がある」として昨年1月、市に情報開示を請求。その際「あとで住民監査請求もする」と通知した。入札を担当した国・県対策課の課員らとも話をしたという。
 話を聞いた当時の国・県対策課長で、現在部長級の幹部職員は、趣味の空手の新年会で、友人にNPO法人への対応で悩んでいると相談。友人は「東京にいる知人に話をしてやろう」と言い、その後、幹部職員は実際に友人の知人という人物からの電話を受けた。その際、知人の求めに応じて入札の経緯をメモにしファクスで送ったという。
 幹部職員は当初、知人が暴力団員であるとは知らなかったとし、昨年春ごろあった空手の会合で初めて、友人から「知人は東京の暴力団員」と知らされたとしている。
 市は抗議を受けてこの幹部職員から事情聴取。幹部職員は「友人に仕事の悩みを話しただけで、暴力団員を使って圧力をかける気持ちはなかった」と話しているという。
 NPO法人の理事長は「暴力団員に電話で『市役所を責めんでくれ』と言われ、会員に危害が及ぶと思い監査請求をやめた」と話している。【古賀亮至】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070602-00000100-mai-soci