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2007年06月02日(土) 14時37分

枚方談合、警部補が中心的役割…特捜刑事の人脈利用か読売新聞

 大阪府枚方(ひらかた)市発注の清掃工場建設を巡る官製談合事件で、大阪地検特捜部は、府警捜査2課警部補・平原幸史郎容疑者(47)が中心的役割を果たしていたとの見方を強めている。

 古い付き合いの中司(なかつか)宏市長(51)を“窓口”に副市長・小堀隆恒容疑者(60)らに人脈を広げ、捜査の過程で知り合った大林組顧問の森井繁夫容疑者(63)に引き合わせるなどしてフィクサー役を務めた。

 府警によると、平原容疑者は2002年に大阪府四條畷(しじょうなわて)市の学校給食センター新築工事をめぐって現職市長が逮捕された汚職事件でも活躍。関係者によると、この事件で府警が大林組を捜索したことがきっかけで、平原容疑者は森井容疑者と知り合ったという。

 中司市長とは枚方署時代からの20年来の付き合いで、1997年ごろには市長に「市議に知り合いがいないので、紹介してほしい」と要望。当時の市議で建設業界に詳しい府議(49)を紹介してもらった。

 その後、平原容疑者と市長、府議の3人は「数か月に1回」(府議)ずつ、食事をしながら、公共工事の談合防止策などを話し合った。ある会合では、平原容疑者が今回の事件の舞台となった「第2清掃工場」(仮称)について、プラント設備と工場棟などの建設工事を分離発注するよう市長に提案したという。

 平原容疑者は当時、談合捜査と関係ない豊中署地域課勤務だったが、その後も中司市長から小堀容疑者、小堀容疑者から当時の枚方市の重点プロジェクト推進部長を次々に紹介してもらい、約3年前には大阪市内の料理店で市長と府議を森井容疑者に引き合わせた。

 05年11月、大林組が受注に成功すると、平原容疑者は1000万円の現金を要求。汚職事件の捜査を通じて知り合った大阪府内の建設会社社長(46)を介し受け取った。「特捜刑事」の肩書で築いた人脈を可能な限り利用した、と特捜部はみている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070602i306.htm