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2007年06月01日(金) 16時29分

枚方官製談合 警部補、平成14年工事も関与か?産経新聞

 ■中司市長との面会示唆

 大阪府枚方市発注の清掃工場建設をめぐる官製談合事件で、競売入札妨害(談合)容疑で大阪地検特捜部に逮捕された府警捜査2課警部補、平原幸史郎容疑者(47)が、平成14年に入札が実施された同市のコミュニティー施設建設工事でも、業者の「受注工作」に関与した疑いがあることが1日、分かった。平原容疑者は知人の元市議に「この工事は大阪のゼネコンに取らせる」と話し、中司宏市長にも「了承」を求める考えをほのめかしていたという。

 平原容疑者の指摘通り、大阪に本社がある中堅ゼネコン「浅沼組」が落札していた。同社は、今回の談合事件でも役員が逮捕されているが、中司市長は産経新聞の取材に対し「この件で平原容疑者と話したことは一切ない」と疑惑を全面否定している。

 コミュニティー施設は平成15年12月にオープンした「南部市民センター」(現・南部生涯学習市民センター)。14年9月5日に行われた入札には8社が参加し、浅沼組が予定価格の96・2%に当たる9億7550万円で落札した。入札前には浅沼組の落札を名指しした談合情報が市に寄せられていたという。

 一方、元市議によると、日ごろから情報交換をする間柄だった平原容疑者が入札前、受注を希望する地元業者から相談を受けていた当時現職の元市議宅を訪問し、入札をめぐる内幕を明かしたという。

 平原容疑者は「面倒なことになるから手を引いた方がいい」と発言。さらに「この工事は大阪のゼネコンに取らせる」と漏らし、帰る際には「これから市長にも会いに行ってくる」と、親交のある中司市長と面会して話を進めることを示唆したという。平原容疑者は入札が行われた当時、府警捜査2課に所属していた。

 元市議は「この約3年後に、摘発された清掃工場建設工事の入札があったが、事件の構図は似たような印象を受ける」とも話し、今回の談合事件以前から平原容疑者が業者の受注工作に関与していた可能性を指摘している。

 浅沼組は「今回の事件に関連することについては、コメントを一切差し控えさせていただきたい」と話している。

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 大阪地検特捜部は1日、清掃工場建設工事をJVで受注した中堅ゼネコン「浅沼組」(大阪市天王寺区)を競売入札妨害容疑で捜索した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070601-00000028-san-soci