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2007年06月01日(金) 15時03分

<枚方談合>大林組「もっと利益を」…副市長に警部補伝達毎日新聞

 大阪府枚方市が発注した清掃工場建設工事の入札を巡る談合事件で、大阪地検特捜部に逮捕された副市長の小堀隆恒容疑者(60)が大林組から「もっと利益を出したい」という趣旨の要望を受けていたことが分かった。要望は府警捜査2課警部補の平原幸史郎容疑者(47)が伝達。この結果、工事規模は拡大され、予定価格も約39億円から約56億円に引き上げられた。これだけの重要事項を副市長が単独で決定することは困難とみられ、特捜部は、中司宏市長の関与について慎重に捜査している模様だ。
 調べなどによると、枚方市は第2清掃工場の建屋工事について、あまりに大規模だと地元業者参入の余地がなくなるため、発注の細分化を検討。05年8月、工場棟と煙突の工事の入札(予定価格約39億円)を実施した。しかし応札が全くなく、その後、大林組側が「このままでは利益が小さすぎる」などと工事規模の拡大を要求。平原容疑者が同社の意向を小堀容疑者に伝えたという。
 これを受けた枚方市では、小堀容疑者が委員長を務める庁内組織「第2清掃工場建設検討委員会」が開かれ、重点プロジェクト推進部(東部整備室)が「原則、同じ物件を同じ形で再入札するケースはまれ」として発注方法の見直しを提案。工場棟・煙突にその他管理棟を加えて建屋一括で発注するよう変更され、予定価格は約56億円に増額された。
 やり直しとなった同年11月の入札について、枚方市では参加可能な業者を「50社以上」と見込んでいたが、実際に応札したのは大林組と浅沼組の共同企業体(JV)のほか鹿島と佐藤工業の計3者だけ。同JVが予定価格の98・42%の55億6000万円の高値で落札した。
 大林組は関西の土建談合に最大級の影響力を持つとされる。工場棟・煙突工事への応札がなく、建屋工事でも3者しか参加がなかったことについて、特捜部は同社から業界への働きかけがあったのではないかとみて調べているとみられる。【田中龍士、藤田剛】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070601-00000051-mai-soci