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2007年05月19日(土) 20時55分

「早死にする」 不安あおる「開運商法」被害、過去最高朝日新聞

 手相鑑定や姓名判断で不安に陥れ、災難を免れるためだとして高額な印鑑を売りつけたり、祈とう代を請求したりする「開運商法」の被害が増加している。国民生活センターによると、開運商法に関する全国の被害相談は昨年度、過去最高の2942件を記録。5年前の2倍近くに膨らんでいる。

 開運商法の中で最も多いのが、一つ40万円ほどの高額印鑑の押し売り。全体の約半数を占め、前年から551件増えて過去最高の1415件にのぼった。次いで目立つのが1年間の祈とう代として50万円ほどを請求するケースで、全体の約2割、683件あった。

 宮城県消費生活センターにも昨年度、開運商法の被害相談が前年より11件多い37件寄せられ、そのうちの24件が高額印鑑で、8件が祈とう代だった。

 福岡県警が2月以降に検挙した印鑑販売会社(本社・名古屋市)による被害が、県内でも3割ほどを占めていたが、今年度に入っても利府町などで押し売り訪問が確認されるなど、4月中に2件の被害があった。

 県北の年配の女性も、昨年被害にあった。自治体の相談員に対し「姓名判断の後、『娘さんが嫁ぎ先でつらい思いをしている。この特別な印鑑を買った方がいい』と言われ、夫の分も合わせて2個、数十万円で購入してしまった」と話しているという。

 「早死にする」「孫が病弱になる」など不安をあおる文言は様々だ。同センターは「高額商品の付随した勧誘には十分な注意を」と呼びかけている。

http://www.asahi.com/national/update/0519/TKY200705190183.html