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2007年05月09日(水) 06時18分

風俗店摘発5容疑者逮捕 名簿破棄、パソコンも撤去か朝日新聞

 愛知県警は8日、風俗店の従業員名簿を破棄したとして、ファッションヘルスの実質的責任者、児玉健児容疑者(31)=名古屋市中区丸の内2丁目=と従業員ら計5人を風営法違反(従業員名簿の不備)の疑いで逮捕し、名古屋に本拠を置く指定暴力団山口組弘道会の資金源になっている可能性があるとみて捜査している。

 この店は「ブルーグループ」と呼ばれる風俗店グループに属している。名簿は、県警による家宅捜索の前日に細断されており、児玉容疑者らが捜査の動きを察知し、証拠隠滅を図った疑いが強いとみて、県警は経緯を調べる。

 弘道会対策推進本部の調べでは、児玉容疑者らは1月17日午前0時ごろ〜早朝、中区錦3丁目の「不倫人妻ヘルス」など3店で以前働いていた女性従業員計18人分の名簿を細断、破棄した疑い。風営法は退職した従業員の名簿も過去3年分は残すよう定めているが、これらの店には当時働いていた従業員の名簿しかなかった。

 県警は、名古屋市中区の人材派遣会社会長の男(36)らが、わいせつな接客行為をさせると知りながら、風俗店に女性を雇わせた容疑などを裏付けるため、1月18、19の両日、受け入れ先の疑いのあったブルーグループの風俗店会社事務所など計約20カ所を捜索した。

 この際、女性が勤務していた事実を示す証拠として名簿を押収しようとしたが、過去の名簿がなかった。グループの事務所にはシュレッダーで細断された名簿のくずがポリ袋数十袋に詰められ、放置されていたという。県警は、勤務していたという女性の証言を基に、同月20日、会長の男を職業安定法違反容疑で逮捕している。

 また、事務所にはパソコンが1台もなく、机には撤去した跡のような、ほこりのない場所があった。その後の県警の事情聴取に対して風俗店従業員は、複数のパソコンが捜索直前に運び出されたと証言。パソコンにはグループ全店の従業員の出勤状況や客数、客から指名された回数などのデータが記録されていたという。

 県警は昨年6月、ヤミ金融での返済が滞った女性に、風俗店での勤務をあっせんしたなどとして、弘道会系組幹部ら2人を職業安定法違反容疑などで逮捕。この店もブルーグループで、女性の給料が店から組幹部側に渡っており、県警はグループが弘道会の資金源になっている疑いがあるとみている。

http://www.asahi.com/national/update/0508/NGY200705080011.html