記事登録
2007年04月29日(日) 21時50分

ソフトバンク携帯、苦情再び 分割払いで「¥0」広告朝日新聞

 携帯電話端末を分割払いで買うと割引が適用されるというソフトバンクモバイルの料金サービスをめぐり、利用者の苦情や問い合わせが相次いでいる。実際には月額利用料が割引対象なのに、携帯端末そのものが安くなるかのように販売店で説明されていることが原因。説明不足で惑わされたとして利用者が無条件解約を求めるケースも出ている。

 問題となっているのは同社が昨年10月に導入した「新スーパーボーナス特別割引」。12〜24カ月の分割払いで端末を購入すると、毎月の請求時、基本使用料と通話料から一定額が割り引かれる仕組み。割引額は機種ごとに決まっている。

 しかし販売店では、例えば月の分割費が2500円で割引額が2000円の機種の場合、「実質負担 月々500円×24回」などと表示。分割払い分と割引額の差額がなくなる機種も多く、頭金払いもないため、「全機種¥0」などの広告も大々的に張り出された。同社もHPでは、端末分割費が割引対象のように図示するなどしていた。

 同社の端末は他社に比べて割高感を持たれているため、こうした販売手法をとっているとみられる。だが、月額利用料が決められた割引額より少ない場合には実際の割引分も減らされたり、分割払い完済前に解約・機種変更をした場合に残額を請求されたりするため、分割払い分が安くなったと誤解していた利用者から苦情が相次いでいるという。

 兵庫県神戸生活創造センターは今年1月、「不十分な説明で消費者を惑わしている」として、契約時の説明の徹底など9項目の改善を同社に申し入れた。同社は、広告やパンフレットの説明を分かりやすく改めるなどしてきたが、苦情や問い合わせは現在も1日30〜50件ほど来ているという。

 同社は「きちんとご理解いただけていない部分もあるが、店員への研修・教育を徹底したい」(広報部)と話す。

 携帯業界には昨年、分かりにくい料金体系や誇大広告について公正取引委員会から警告や注意が出されている。日本広告審査機構(JARO)の宮本和洋・審査課長は「前提条件などの説明が小さな字や後回しになる傾向は相変わらず続いている。消費者本位の透明性を改めて求めたい」と話している。

http://www.asahi.com/business/update/0429/TKY200704290140.html