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2007年04月27日(金) 10時32分

16年までに自殺率2割削減 政府が大綱素案朝日新聞

 政府は27日午前の関係閣僚による自殺対策総合会議で、昨年10月に施行された自殺対策基本法に基づく「自殺総合対策大綱」の素案をまとめた。自殺を「社会全体の大きな損失」ととらえ、「国民一人ひとりが主役」となる対策の必要性を提示。16年までに05年の自殺死亡率の2割削減を目指すという数値目標を設定した。一般からの意見も踏まえて、5月末にも閣議決定する。

 日本では98年以降、毎年自殺者が3万人程度で推移し、人口10万人当たり24.2人の自殺率(05年)は欧米諸国と比べ突出している。そこで、大綱素案で16年までに19.4人程度に減らす目標を打ち出した。00年の「健康日本21」で約3割だった削減目標を今回2割とした理由について、内閣府は「自殺対策の先進国の英国やフィンランドにならった」と説明する。

 素案では、当面の重点施策として、自殺の危険性が高い人を早期発見し、対応を迅速にするため医師や教職員らへの研修を実施。自殺の兆候を見逃さないよう相談窓口を充実させるとともに、地域や企業、学校、家庭などの連携強化を図ることを掲げた。

http://www.asahi.com/national/update/0427/TKY200704270046.html