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2007年04月27日(金) 03時03分

<後見人詐欺>被害女性を役員に 経営参加を偽装か毎日新聞

 後見人制度に絡む詐欺事件で、逮捕された元指定暴力団松葉会系組員、神林正一容疑者(46)らが、被害者の女性(94)を、事件の舞台となったリフォーム会社「青嵐環境開発」(東京都荒川区)の役員にしていたことが分かった。神林容疑者らは、同社の出資金名目で女性から2000万円をだまし取っており、警視庁組織犯罪対策4課は、詐欺が発覚しないよう、女性が会社の経営に参加しているように装ったとみて調べている。
 女性が同社役員に登記されたのは、2000万円を詐取される直前の04年4月。実際に同社で働いたことはなかったが、06年9月に女性の代理人弁護士が、同社社長で元行政書士の山本成男容疑者(46)=詐欺容疑で逮捕=に女性が2000万円を支出した理由を尋ねた際は「出資を受けた。役員にも就任してもらっている」と説明していた。
 また、別の2社への出資名目で1700万円を引き出していたことも新たに判明した。山本容疑者が社長を務める荒川区の印刷会社関係で1000万円、埼玉県内の葬儀会社関係で700万円。同課の調べで、いずれも出資には使われていなかったことが分かっており、詐欺に当たるかどうかなどについて、さらに調べを進めている。
 女性から引き出したこれらの金は、女性が渋谷区内に所有していたアパートの売却代金6500万円の一部で、女性は定期預金にしていた。しかし、両容疑者は引き出す際に女性を金融機関の窓口まで連れて行き、定期預金を解約させ、現金をその場で受け取っていた。【石丸整、鳴海崇】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070427-00000011-mai-soci